展示会『アリス展』出品作品制作舞台裏

こちらは2019年2月に開催された『アリス展』への出展作品です。ご覧の通り…とは言いがたいかもしれませんが、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』をモチーフに描きました。

アリス展については、はじめて出展したグループ展『妄想美少女研究所』を観に行った時に開催予定を知り、その場で参加を申し込みました。

実を言うと、私は子供の頃、この物語にはちょっとした不満を抱いていました。

「アリスがワガママで賢くなくて、非力。」

大人になった今は、あくまで一般常識程度の知識ですが、かの作品が生まれた経緯や児童文学における位置づけを知り、貴重な作品だということを理解したものの、子供の頃の私の率直な感想はこうだったのです。

アリス展のお話を聞いた時に、子供の私が妄想した「勇敢で聡明で、強いアリス」を描きたいなと思いました。とは言え、小さな女の子が何故かいきなり戦闘力MAX、というのもチート過ぎて説得力がありません。そこで何か武器を持たせようと思い、刀や銃など色々調べたのですが…

それらを実際に描いてみるとどうも違和感があるのです。何がいけないのだろう?と考えて、ある日急に分かりました。昔の私が思い描いたアリスは、「戦う女の子」ではなく、「冒険する女の子」だった!

そこで、武器は持たず、身体を守るミリタリージャケットのみを着用し、通信機器、サバイバルナイフ、飲料水、飴ちゃん…などの冒険セットを携帯する設定にしました。

やっとしっくりきましたが、描き進めると新たな試練が。学生時代にイギリス文学を専攻していたというデザイン担当から(*coeri+はイラスト担当のcoeri(コエリ)とデザイン担当の+(プラス)の2名で運営しています)、「空の色と草花がイギリスらしくない」という指摘を受けます。

この時はじめて、私が無意識に風景を描くと、日本の、もとい関東のそれを描いてしまうことに気づきました!すっかり順番が逆になってしまいお恥ずかしいのですが、それから慌ててイギリスの風景やイングリッシュガーデンの資料を集めて修正。本当はもっと背丈の高い植物も追加したいところでしたが、すると全体的に崩れてしまうように思い、ここで完成としました。

このアリスについては、イラストにもキャプションにも「すごく好き!」という感想を伝えてくださる方が幾人かいらして、とても嬉しく、思い出深い作品となりました。

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